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ニューアルオープン! ~Spanish Minerals~

ニューアルオープン! ~Spanish Minerals~

 今回はSpanish Mineralsのリニューアルオープンを記念して、新しいSpanish Mineralsについて軽く紹介することにしましょう。

洗練されたスペインの鉱物。アストゥリアス地方の色とりどりの蛍石。
Spanish Mineralsではこれらの地球の生み出したアートといえる標本に特化しています。

ニューアルオープン! ~Spanish Minerals~

新しいサイトでは蛍石、スペインの鉱物、オーストラリアの鉱物、ポルトガルの鉱物に分類しなおされ、今まで以上にクオリティの高い鉱物が取り揃えられています。
特にオーナーのJuan F. Buelga 氏が最も情熱を注ぐアストゥリアスの蛍石は世界一と言っても過言ではないでしょう。

また、Mineral PhotographyやSpanish Minerals Luxury Toursなど多くのサービスを行っています。そして産地情報から博物館にいたるまで鉱物コレクターにはたまらないコンテンツ満載のブログも実は隠れたおすすめです!是非一度ご覧になってみてください。

※ 以前のサイトでは英語のみ対応でしたが、新サイトでは自動翻訳機能と通貨換算が追加されたのでこれで英語を読む手間がなくなりました。将来的には日本語に完全対応の予定だそうです。

Juan F. Buelga & Mos

Navajun, La Rioja, Spain. Pyrite crystals

以下の写真は、Navajun 鉱山で産出した黄鉄鉱である。この特徴的なキューブ型は世界的にも有名だ。

主に黄鉄鉱の結晶を多く産出するNavajun鉱山は、1960

以下に示すのは「Piritas de Navajun SL」から引用したものである。

情報はいささか古いかもしれないが、キューブ状の特徴的な黄鉄鉱について綴ったとても良い記事だ。原文は英語で記されている。

以下に示すのは「Piritas de Navajun SL」から引用したものである。

Navajun 鉱山

主に黄鉄鉱の結晶を多く産出するNavajun鉱山は、1960年に坑夫であるPedro Ansorena Garretによって発見された。

現在この鉱業資産は、Pedro Ansorena Conde、Jose Chaver Atanasio 、Nestor Lopez Ogaldeらによって結成されたPiritas de Navajun S.L.にある

黄鉄鉱が硫化鉄で構成されていることは早い段階から知られていた。

古代中国では黄鉄鉱のそのメタリックな輝きが富と繁栄をもたらすとされていたし、かつての魔術師や錬金術師はこの鉱物に薬効成分があるとして使用していた。

また歴史学者によれば、La Rioja地方では黄鉄鉱を「聖カシルダの石」と呼びスリングショットの弾薬としてオオカミ撃退に使用していた。

La Rioja地方特有のこのエピソードこそが、Navajun鉱山にのみ大きく完全なキューブ型の黄鉄鉱が多く集中していることを示している。

驚くべきことにこの鉱山からは結晶の一辺が21cmもの巨大な黄鉄鉱が採れたこともある。

彫刻のようで、美しく完璧な黄鉄鉱の結晶構造が建築家や芸術家に影響をあたえていることは、世界各地(アメリカ、ワシントン州、ドイツ、スイス、フランス、日本etc)の重要な科学博物館、例えばスミソニアン博物館などから見て取れる。

主に黄鉄鉱の結晶を多く産出する

黄鉄鉱の産出過程から、還元性環境下における堆積岩(主に石灰岩と砂岩)の中で、有機物の分解が硫黄を産出し、それが周りの鉱物に反応を起こしていることがわかる。

これらの黄鉄鉱はLa Rioja地方に存在するジュラ紀の堆積物と同じ地質環境で、約125~130万年前に生成されたと考えられる。それゆえ恐竜の足跡の化石がこの地方の岩石から共通して発見されている。

異なる成長過程を経て形成された結晶たちは、それぞれの結晶グループごとに大きさや形状、結晶の角度などによってそれぞれ違った顔を見せる。その芸術的な造形のバリエーションは無限大だ。

主に黄鉄鉱の結晶を多く産出するNavajun鉱山は

この鉱物は繊細な自然の産物であるため(硬度6~6.5とやや堅いが、脆い)採掘は手作業によって、その一つ一つをまるで彫刻作品を扱うかのように行われる。

世にもユニークな形で生まれる黄鉄鉱の採掘作業はとても魅力的な仕事だろう。

Navajun

Navajun鉱山の名の由来になった美しい村

Navajun鉱山の名の由来になった美しい村、「Navajun村」はAguilar del Rio Alhama地方に位置している。この村は1381年にエンリケ二世によってNavarran Gentile Juan Ramirez de Arellano, Senor de Cameros の支配下に置かれた。(※訳者注:スペイン語の単語により翻訳できず)

その際、近くにあったもう一つの美しい村、Aguilar Valdemadera村も同統治下におかれた。

ふたつの村は現在も当時の面影をそっくり残したまま16,3平方キロメートルにわたって山岳にまたがっている。

IMG_5356

村の資源そのものである鉱山では、採掘にくわえ羊の牧畜と穀物の栽培も行われている。しかし村の人口は前世紀をから今にかけて次第に減ってしまった。

1900年に310人いた人口が、1950年には220人、1970年には152人、そしてついに現在たった22人へと…

 

Translated by Kuchinashi.

 

Mineralogical museums of Spain

スペインの都,マドリードの鉱物博物館

スペインの首都マドリードは博物館好き鉱物ファンにとっての楽園です。何と言っても、3つもの鉱物博物館が集まっているところなんてヨーロッパでもここだけですよ!

この3つの博物館はそれぞれに立派な標本を所蔵しており、どれも行く価値があります。そこで今日は、それぞれの特色についてお話しようと思います。

Museo Nacional de Ciencias Naturales(国立自然科学博物館)

 博物館入り口に立つJuan, 2005年. ちょうど私がマドリードの大学で地質学の道に進もうとしていた頃です.時が経つのは早いですね!
博物館入り口に立つJuan, 2005年. ちょうど私がマドリードの大学で地質学の道に進もうとしていた頃です.時が経つのは早いですね!

ここは3つの中ではオススメ度はいちばん低いですが、それでも行く価値は充分にあります。この博物館にはスペインの古い産地の標本が色々展示されていますが、全体的に標本の質が低く、高品質の標本を多く見てきた人たちには感動が薄いかもしれません。ですがもしお子さんと一緒に周るのならすごく勉強になると思いますよ!

国立自然科学博物館,マドリード
国立自然科学博物館,マドリード

鉱物展示の多くは手入れが行き届いておらず、埃を被った展示や手抜きのラベルなども散見されます。

残念な展示の一つ、ラベルの無い蛍石標本です。標本の放置具合もお分かりいただけますか?
残念な展示の一つ、ラベルの無い蛍石標本です。標本の放置具合もお分かりいただけますか?

とはいえ、いくつかの標本には例外的に見事なものもあります。例えば、ElHorcajo鉱山の巨大な緑鉛鉱などは私が今までに見た中で最も大きいです! また、Conil鉱山の巨大な硫黄標本も展示してあります。これらはどちらもスペインの古典的な産地です!

巨大な緑鉛鉱,El Horcajo, Ciudad Real.
巨大な緑鉛鉱,El Horcajo, Ciudad Real.
こちらも巨大な硫黄標本,Conil, Cadiz
こちらも巨大な硫黄標本,Conil, Cadiz

ここでは鉱物そのものの情報に加え、その使い道などが子供にも分かるレベルで紹介されています。その点から言っても、この博物館は3つの中で最もお子さんには魅力的かと思います!  ですが勘違いしないで下さいね、鉱物好きの皆さんが満足できるような立派な標本もちゃんと展示されてますよ!

ヘマタイト(赤鉄鉱), Elba island, Italy
ヘマタイト(赤鉄鉱), Elba island, Italy
方鉛鉱の緑鉛鉱仮,フランス
方鉛鉱の緑鉛鉱仮,フランス

私の意見としては、もし時間に余裕が無いのならこの博物館は寄らなくても良いと思います。残りの二つの博物館の方が必見です! なんと言っても、古くからある素晴らしい博物館ですからね! さあ、それでは次にまいりましょう!

Museo Geominero del Instituto Geológico y Minero de España(ヘオミネロ地質・鉱物博物館)
この博物館は“Museo del IGME”という名称でよく知られています。ここでの”IGME”とは”Instituto Geologico y Minero de España”の略で、地質鉱業学会という意味です。

IGME museum, Madrid, Spain
博物館の入り口. マドリードの23 Rios Rosasにあります.

この博物館は1921年〜1940年に建造され、まず建物自体が一見の価値があります。それぞれのホールの荘厳さはあなたを、スペインの鉱業がヨーロッパの発展を支え、栄華を極めていた時代へと誘うでしょう。

IGME museum
IGME博物館の内装
IGME museum fossils
メインホールへの入口
IGME main hall
メインホールの様子
Celing main hall IGME museum
メインホールの天井

ここでは非常にしっかりと分類された国ごとの鉱物展示を行っており、その中でもマドリードなどいくつかの地域のものは特に充実しています。これらの収蔵品は、私が以前訪れた時には他の多くの素晴らしい標本達に埋もれて特段目立った印象を受けませんでしたが、実際にはそのコレクションの量と産地の豊富さにも目を見張るものがあります。

ですが言ってしまうと、ここの収蔵品にはスペインの珍しい産地の貴重な標本が多くありますが、他の有名産地と比べて見栄えのするものは少ししかありません。下にいくつか、良い標本の写真を載せます!

Freieslebenite
見事なフライエスレーベン鉱(Freieslebenite)標本, Hiendelaencina, Guadalajara, Spain.
Octahedral pyrite

非常に立派な黄鉄鉱の八面体巨晶, Lillo, Leon
 おもしろい形の車骨鉱(Bournonite),Chillon, Ciudad Real

おもしろい形の車骨鉱(Bournonite),Chillon, Ciudad Real

他のスペインの有名産地の標本は,もっと高品質のものが用意できただろうにと思います。

Fluorite IGME museum
アストゥリアス地方(Asturias)の低品質の蛍石標本

ここの博物館はほんとにオススメです! ゆっくり時間を取れば、国内外の魅力的な標本を思う存分楽しめることでしょう。 さらに会場内が静かで趣ある空気に満ちていれば、博物館を堪能できること間違いなしです! また運が良ければ、学芸員の収集品を展示している興味深い特別展にも出会えるかもしれません!

もう一つのオススメポイントは次に紹介する博物館に近いことです…さあ、それでは次の博物館に行きましょう!

Museo Histórico-Minero Don Felipe de Borbón y Grecia(ドンフェリペ・デ・ブルボン歴史鉱業博物館)
この博物館は長い歴史のある、親しみやすさと整然さを兼ね備えた博物館です。さらに、ここは今まで紹介してきた博物館の中で私の1番のお気に入りの博物館でもあります。なんとこの博物館は、19世紀に実際に使われていたマドリード鉱業学校の素晴らしい建物をそのまま再利用しているんですよ!

Don Felipe de Borbón y Grecia museum
建物の外観. Rios Rosas通り21番地.

この博物館を訪れた際に肝に銘じておかねばならないのは、ここはいつでも開いてる訳ではないということです。予約を入れればいつでも開けてくれますし、毎月第一日曜日(8月を除く)には開館していますが、事前に電話で確認をとるのが良いでしょう。

館内に展示されている鉱物標本や古い文献の多くは非常に貴重で重要なものばかりです。鉱物標本を見る際には、古くから親しまれ続けているスペインの古典産地、例えばAlmaden, El Horcajo, Hiendelaencinaなど、を念頭において見て行くとより楽しいと思いますよ!

Pyromorphite El Horcajo
飾り戸棚にある巨大な緑鉛鉱標本(Piromorphite), El Horcajo, Ciudad Real.

鉱物標本もすごく貴重で重要なものが多いです。展示を見ているとほとんど知らないような産地の良質の標本が数多くあることに驚くことと思います。その数例を下に載せますね。

綺麗な若草色の緑鉛鉱,珍しい産地のCampillo de Salvatierra, Salamancaから
綺麗な若草色の緑鉛鉱,珍しい産地のCampillo de Salvatierra, Salamancaから
Native copper Spain
見事な自然銅標本, Herreria, Huelva, Spain.

標本はきちんと整理して展示されており、古い木製の棚に程よい照明が当たっています。私が覚えている限り、棚には2種類あり、壁に付随する形の棚とそれ自体で独立している棚があったと思います。そしてそのどれもがこの上なく見事に作られています。博物館の長い歴史を感じさせてくれるこの素晴らしい棚を、できることならこの先もずっと使い続けて欲しいものです。もちろん、新しい棚に変わったなら照明器具などは合わせて新調すべきだと思いますが、そうすることによって失われる何かがあると思います。もちろん、博物館が守り続けている素晴らしい収蔵品の数々に感動することは間違いないでしょうが!

Mineral cabinet Museo escuela de minas madrid
壁際の棚の一つです.アストゥリアスの蛍石標本がいくつか見えますね.

ですがこの博物館もIGME博物館と同じで、世界でも有数の標本をいくつも展示しているという訳ではありません。この博物館は元々、遠い昔に教育目的で設立されたことを忘れないで下さいね。魅力的な博物館とはなにも、不特定多数の人々にもっとも美しく素晴らしい標本を見せる博物館ではありません。この博物館はどちらかと言うと、スペインの無名な産地からの貴重な標本の価値をちゃんと理解できる人向けかもしれませんね。

mineral cabinet madrid
棚に彫られたマドリード鉱業学校の紋章.

さて、ではこの短い鉱業博物館見学ツアーの締めに、この博物館で私が一番気に入っている標本を紹介しましょう。これはものすごく珍しい巨大な閃亜鉛鉱の標本です(from the Picos de Europa Mountains, Spain)。このラベルに記載されている”Aliva”とは宝石質の閃亜鉛鉱を産出することで有名なPicos de Europa の中心部の地域の名前です。この標本は結晶形が非常にはっきりとしており、透光性はほぼありません。このことから考えられるのは、この標本は恐らく有名な Aliva 地区のLas Manforas鉱山から産出したのでは無く、Picos de Europaの古い珍しい鉱山から産出したのではないかということです。

Sphalerite Spain
すごく珍しいキャビネットサイズの閃亜鉛鉱標本, Picos de Europa mountains, Spain.

それでは記事全体の締めとしてもうひとつ。素晴らしい標本をみなさんにお見せしてお別れです。皆さんがこの標本のことを気に入ってくれて、そしてまた私たちのブログをこれからも愛読してくれることを祈ってます。きっとまた鉱物博物館についての記事を書きますよ!

freislebenite
素晴らしいフライエスレーベン鉱標本, San Carlos Mine, Hiendelaencina, Guadalajara, Spain

Juan Fernandez Buelga & Tignita

IMG_3546

複雑な形をなす蛍石 

今回の記事では蛍石のモディフィケーション(訳者注:変形のようなもの)について紹介していきます

なお、今回の記事については面白いモディフィケーションの物を手に入れたり、わからないモディフィケーションに遭遇したらその都度そちらの写真も投稿する予定です!

基本的にはスペイン・アストゥリアス州の蛍石とモディフィケーションに関して投稿していきます。というのも、アストゥリアス州の蛍石には様々な面白いモディフィケーションがあることが多いからです。

ご存知の通り、幾千もある鉱物の中でも蛍石はもっとも愛されている鉱物の一つと言えます。この場では敢えて蛍石こそが最も愛好家の多い鉱物と言い切ってしまいましょう!なんといっても豊富なカラーバリエーション、共生鉱物、結晶形、モディフィケーションと色々な要素が詰まっていますからね!

最初の標本は最近友人に譲ったこのサムネイル標本からいきましょう。

それから、もしモディフィケーションが間違っていたり議論したいときメールで知らせていただくか、コメントを残していただけるとありがたいです。もしかしなくても、怪しいものもあるでしょうから。

蛍石 Emilio鉱山、Asturias州、スペイン 
蛍石 Emilio鉱山、Asturias州、スペイン トラペゾヘドロンのモディフィケーション{113}がよく表れています。
蛍石 Emilio鉱山、Asturias州、スペイン 
別視点から
蛍石 Emilio鉱山
銀色の内包物(訳者注:産地から考えるに恐らくビチューメン、瀝青でしょうか。)

 

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今日新たにLa Viesca鉱山,Asturias州,スペインの変わった蛍石を追加しました。

数年前にそれぞれ別のポケット からこのモディフィケーションがある蛍石を発見してとても驚いたのです。というのも初めて見るタイプのものでしたから!剥離跡に似てはいますが、それとは明らかに違う感じなのです。

それでは写真を見ていきましょう。

蛍石 La Viesca 鉱山
この写真が一番わかりやすいでしょう。一見普通の六面体にみえますが、十二面体によるモディフィケーションとそして面白い線が複数あるのが見えますね!
(訳者注:この線は元々共生していた方解石がとれてしまった跡かもしれないという指摘がありました。ですがどちらにせよ大変面白いものだと思います!!)
蛍石 La Viesca 鉱山
別方向から。よく見ると十二面体によるモディフィケーションが確認できます。
蛍石 La Viesca 鉱山
全体像 標本サイズ約  3cm

 

Mos & Juan Fernandez Buelga

 

 

IMG_2808

色でみる スペイン,アストゥリアス地方の蛍石


 

 先日ウェンデル・ウィルソン氏は、自身のツーソン・ショー(Tucson Show 2014)のレポートの中でこう語っていました。”色こそが鉱物において最たるものだ——  “ と。そして、この彼の主張に賛同する鉱物収集家の方は少なくないでしょう。これは蛍石について語る場合においても同様です!

さて、この記事はスペインのアストゥリアス地方の蛍石に関する連投記事の第1回目です。今回は、蛍石の豊富なカラーバリエーションに迫ります。また今後はその結晶の形や産状について、みじかく簡単な記事で紹介していく予定です! あまり長くても疲れてしまうだけですからね。

さて、おそらく皆さんもご存知でしょうが、スペイン北部アストゥリアス地方の蛍石は、その立方体の形で世界的に有名です。

アストゥリアス地方(赤線で囲んだ部分), スペイン北部, Google Maps
アストゥリアス地方(赤線で囲んだ部分), スペイン北部, Google Maps

スペインにはアストゥリアス地方以外にも蛍石産地は多くありますが、その多くは低品質のものしか産出しないマイナーなものです。なので今回はアストゥリアス地方の蛍石に限定して、その豊富なカラーリングを見ていきましょう。

外国のフローライト収集家の方は、アストゥリアス地方の産地について困惑されることがままあるようです。多くの産地があるため、誤ったラベルの付いた標本も多くみられます。そのため、正しい産地はどこなのか、ということは多くのコレクターにとって大きな関心事となってきます。

アストゥリアスの蛍石産地についてあやふやな認識しかもっていない人は多いでしょう。なので今回の記事を通していっしょに整理して行きましょうね! まず始めに、ここ最近の有名な4つの産地について記します。それぞれ全く異なる特徴を持った蛍石を産出しますが、時折、産地の判別が難しいものに出会います。

1- La Collada

 La Collada鉱山地帯はいくつかの蛍石鉱山で構成されます。La Colladaの蛍石の多くは青から紫にかけての色を持って産出しますが、くすんだグリーンも特に珍しい訳ではありません。ここのものはゾーニングが見られるものが多いです。紫と青のバイカラー、又は明るい青と暗い青のバイカラーになっているものはすごく貴重でなかなかお目にかかれません。

Level 75, Josefa Veneros vein, La Collada. dodecahedron面に紫色のカラーリング. Fernandez Buelga Collection標本. Carlos Casariego撮影.
Level 75, Josefa Veneros vein, La Collada. dodecahedron面に紫色のカラーリング. Fernandez Buelga Collection標本. Carlos Casariego撮影.

La Colladaの緑の蛍石について: 特にいくつかの古くからの地域では、くすんだ緑色のものの産出は珍しくありません。ですがそれが鮮やかな緑色であれば話は違い、並外れて貴重なものになります。最近では緑色の標本が市場に出回ることは滅多にありません。

Fluorite  Juan Fernadez Buelga 撮影
Green fluorite from “Corta la Sirena”, La Collada de Atras, La Collada. Juan Fernandez Buelga撮影

メモ: La Viesca鉱山は露天掘りで採掘されてきた地下鉱山です。La Collada鉱山地帯の内部に位置します。明るい青色の蛍石や、暗い青紫の標本を主に産出します。紫色のものは貴重です。少しのグリーンを含む青色のものも珍しいです。カラーレスのものは小さな結晶のものは多くありますが、大きな結晶のものになると非常に珍しいです。しっかりした発色の(Saturation)水色の標本は貴重です。

The colour violet. Source Wikipedia.
ヴァイオレットの色見本(Wikipediaより).
詳しくはこちら: http://en.wikipedia.org/wiki/Purple
Saturation scale
色の濃淡表(%). 画像元 http://www.digital-intermediate.co.uk
詳しくはこちら: http://www.digital-intermediate.co.uk/colour/colourbasics.htm
カラーレスやすごく薄い青色の蛍石はLa Viesca鉱山でよく産出します. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.
カラーレスやすごく薄い青色の蛍石はLa Viesca鉱山でよく産出します. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.
淡い水色の結晶内部に濃い水色のファントムが見られます.外側の縁にある暗い青色のファントムにも注目です.
淡い水色の結晶内部に濃い水色のファントムが見られます.外側の縁にある暗い青色のファントムにも注目です. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.
La Viesca鉱山の強烈なブルーの標本. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.
La Viesca鉱山の強烈なブルーの標本. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.
多くのカラーゾーニングが見られる貴重な標本. 明るい紫から始まり,暗紫色,水色と続きます. 赤色や黄色に見える部分はインクルージョンによるものです
多くのカラーゾーニングが見られる貴重な標本. 明るい紫から始まり,暗紫色,水色と続きます. 赤色や黄色に見える部分はインクルージョンによるものです. La Viesca, La Collada. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.
非常に濃い露草色(少しの緑を含む青色)の標本.青色のファントムも見られる
非常に濃い露草色(少しの緑を含む青色)の標本.青色のファントムも見られる. La Viesca. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.
非常に濃い露草色(少しの緑を含む青色)の標本.青色のファントムも見られる. La Viesca. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.
非常に濃い露草色(少しの緑を含む青色)の標本.青色のファントムも見られる. La Viesca. Juan Fernandez Buelga 所蔵, 撮影.

 

2- Berbes mining area
 青色やすみれ色、紫色のものが最も珍しいものになるのでしょうが、澄んだ青色のものも同様に珍しいです。一般的で簡単な法則として言える事は、赤色に近づけば近づくほど貴重になっていくということでしょう。Berbes地域はLa Collada地域に比べるとより多くの赤系統の標本を産出します。

Purple colour. Source Wikipedia.
紫の色見本(Wikipediaより).
詳しくはこちら: http://en.wikipedia.org/wiki/Purple

Berbes地域の蛍石にはゾーニングが見られることがよくありますが、その一方で、同一結晶の中に2種類の異なる色が見られることはほとんどありません。明るい紫の結晶の中に少し暗めの紫のファントムのあるものはよく見られます。これは青色のものでも同様です。ですが、青色の結晶の中にすみれ色や紫色のファントムがあるものは大変貴重です。

強烈なすみれ色(ヴァイオレット). Berbes. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.
強烈なすみれ色(ヴァイオレット). Berbes. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.
Purple fluorite
濃いすみれ色の貴重な標本. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.
Purple fluorite
Berbes地方の紫色の標本. Fernandez Buelga Mineral Collection標本. Carlos Casariego撮影.
Pink fluorite
ピンク色に近い紫色の標本. 同じ系統の色の鮮やかなファントムに注目. Fernandez Buelga Mineral Collection標本. Carlos Casariego撮影.

3- La Moscona Mine
 La Moscona鉱山の地下から採掘されるほとんどの全ての蛍石は黄色をしています。黄色とひとくちに言っても、淡黄色や灰色がかったものから蜂蜜色のものまで幅広く産出しますが、なかでも鮮やかな黄色のものが、黄色の中ではおそらく最も珍しいものでしょう。また稀にですが、紫色を伴う暗青色のものや、強烈な赤色のものも見ることがあります。

Red fluorite
一般的な黄色のものと貴重な赤色のものが共生した標本. La Moscona Mine. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.
Rare fluorite
濃い暗紫色と黄色の蛍石が共生した珍しい標本. La Moscona Mine. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.

La Moscona鉱山の標本でゾーンの見られるものだと、蜂蜜色と他の黄色のものがよくみられます。より珍しいものになると赤みを帯びたファントムを持つものだとか、最も珍しいものだと青色の結晶の中に黄色のファントムが見られるものなどがあります。

Honey yellow fluorite

La Moscona鉱山の黄色と蜂蜜色の蛍石クラスター. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.

メモ: Villabona鉱山はMoscona鉱山の近くのもう一つの蛍石鉱山です。標本を見比べてみる限り、どちらの鉱山も同じ蛍石鉱床を供給源としていると考えられます。二つの鉱山入口間の距離は大体5kmほどしか離れていません。そのため、この2つの鉱山の標本を区別するのは至難の業です。言えることとしては、La Moscona鉱山の標本は比較的暖色系の黄色(蜂蜜色や赤みを帯びた黄色など)であるのに対し、Villabona鉱山のものは寒色系の黄色(鮮やかな黄緑を含むような黄色など)であるように思います。

上に記したように、La Moscona鉱山のものとVillabona鉱山のものを判別することはプロにも至難の業なのです! ですので、これはすごく個人的な意見ではありますが、この2鉱山の標本をいつでも完璧に判別するということは不可能なのかと思います! それぞれの産地でよく見られる産状と照らし合わせて、丁寧に産地の見当を付けていったとしても、誰しも遅かれ早かれ間違えてしまうでしょう。

Rare calcite with fluorite
見てもらえば分かるように、Villabona鉱山のから出る蛍石の色はMoscona鉱山の多くの標本と全く変わりません。ですがこの標本のように方解石(calcite)が共生したものは珍しいです. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.

4- Emilio Mine
 この地下鉱山からもっとも多く産出するのはカラーレスの蛍石です!灰色がかったものや美しい水のように澄んだ色をした標本を産出したりします。水色のものも珍しくありません。暗い青色のものは非常に珍しいですが、この鉱山のいくつかの区画においては珍しくありません。この鉱山に一貫して見られる特徴は色が薄いことです。

特徴的な灰色がかった結晶と外縁に水のように澄んだファントムが見えるEmilio鉱山の端正な標本です.ファントムは写真では分かりづらいですね. 結晶全体に見られる炭化水素油(ビチューメンbitumen)のインクルージョンにも注目です. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.
特徴的な灰色がかった結晶と外縁に水のように澄んだファントムが見えるEmilio鉱山の端正な標本です.ファントムは写真では分かりづらいですね. 結晶全体に見られる炭化水素油(ビチューメンbitumen)のインクルージョンにも注目です. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.

メモ: Jaimina鉱山はEmilio鉱山のすぐ近くにあるもう一つの地下蛍石鉱山です。確かにこれらの鉱山は繋がっているのですが、二つの鉱山の入り口は2kmも離れています。Jaimina鉱山の標本とEmilio鉱山の標本を区別することは実際的に不可能です。これはさきほど記した、La Moscona鉱山とVillabona鉱山の話と良く似ていますね。もちろん、それぞれの特徴を挙げることは出来るでしょうが、実際に標本をそれで一概に区別するのは難しいでしょう。これはすごく個人的で不確かな意見ですが、jaimina鉱山で採れた蛍石は暖色系の青色をしていて、Emilio鉱山で採れた蛍石は比較的寒色系の青色をしているように感じます。もしかして、これはJaimina鉱山の方がBerbes地域にEmilio鉱山よりも近い位置にあるからでしょうか?

さて、今回の記事、楽しんでいただけましたか?もし何かコメントや意見、提案などがありましたら遠慮なくご連絡くださいね。

近いうちにこの記事に新しい写真を追加する予定です。ちょくちょく覗いてみて下さいね!

www.spanishminerals.com

Juan Fernandez Buelga & Tignita

現在、アストゥリアス地域の多くの蛍石鉱山はいくつかを残してほぼ閉業しています。これらの鉱山での鉱物収集は、鉱山が運営する鉱業会社が禁じているだけでなくスペインの法律でも禁じられています

Panasqueira mine

ポルトガルでのパナスケイラ鉱山探検!


パナスケイラ鉱山は、鉱物マニアにとっての秘密の楽園です。

パナスケイラ鉱山付近ののどかな風景。(Juan Fernandez Buelga撮影)
パナスケイラ鉱山付近ののどかな風景。(Juan Fernandez Buelga撮影)

これほどまでに綺麗な結晶になった豊富な種類の鉱物を産出する鉱山は、そうそう見つかりません。思い当たるものでも、例えばアフリカ大陸のナミビアにあるツメブ鉱山くらいでしょうか。どちらの鉱山も、私の個人的な鉱物産地リストの中ではかなり上位に入ります。だけどもちろん、パナスケイラは世界的に最も有名で素晴らしい鉱山の一つに違いありません。

見事なパナスケイラ産硫砒鉄鉱の並ぶ棚。東京自然史博物館の標本。(Juan Fernandez Buelga撮影)
見事なパナスケイラ産硫砒鉄鉱の並ぶ棚。東京自然史博物館の標本。(Juan Fernandez Buelga撮影)

おそらくここは、あなたが安心して行ける鉱山の中でも最も良い鉱物産地でしょう。もちろんご存知の通り、アフリカ内陸部には多くの素晴らしい鉱山がありますが、これらは財布にお金を詰めて良い鉱物を探しに出向くには危険なところです

パナスケイラの近くのフンダオ村。この地域はとても安全です。(Juan Fernandez Buelga撮影)
パナスケイラの近くのフンダオ村。この地域はとても安全です。(Juan Fernandez Buelga撮影)

私が15才くらいの頃、父と一緒にロンドンの自然史博物館で鉱物標本を見て回りました。私はパナスケイラ産の標本にいたく感動した直後、突然気付いたのです。

「ちょっと待ってよ! パナスケイラ鉱山って僕の家のすごい近くじゃん!!」

そのとき以来、私は大体一年おきくらいでパナスケイラ鉱山を訪れました。家から大体、車で4時間ほどの距離にあり、これはオーストラリアに住んでいる今と比べて考えるとそう長い距離ではありません。

スペインの首都マドリードからポルトガルのパナスケイラ鉱山までの距離
スペインの首都マドリードからポルトガルのパナスケイラ鉱山までの距離

さて、これから記すのはパナスケイラ鉱山周辺とそこに住む人々に関する私の雑感です。特に日本の読者さん達に向けて書いています。また後日、採集される鉱物についてや鉱山探索についての記事を上げますね。

そう遠くない昔、ある日本の大企業がパナスケイラ鉱山のオーナーになりました。なのでパナスケイラ鉱山は日本の鉱物ファンの間で、ますます有名になって行くでしょう!

始めの頃は父親と一緒に、運転免許を取ってからは自分で運転して、私は毎年この鉱山へと足を運びました。そのうちの何年かは一年の間に複数回行きましたよ。質の良い標本を産地で直接購入する喜びというのは、この上ないものです!

パナスケイラは潤沢な鉱山で、多くの鉱物標本を産出しますが、あなたの想像しているような良いものばかりが出る訳ではありません。ある限られた数年間は群を抜いて良い標本が産出しますが、いったいそれがいつなのかは分かりません。なので、鉱山へ行った際には、最も良い標本を求めるようにしましょう! 良い標本を得ずに帰ることもあるでしょうが、そうでないときはツイてますからね!

硫砒鉄鉱(arsenopyrite)、菱鉄鉱(siderite)、蛍石(fluorite)の見事な標本。(Juan Fernandez Buelga撮影)
硫砒鉄鉱(arsenopyrite)、菱鉄鉱(siderite)、蛍石(fluorite)の見事な標本。(Juan Fernandez Buelga撮影)

鉱物売人のもとにたどり着くまでには多くの手順があります。鉱山の人々は鉱物 ”標本” について話すこと好みません、特に外国人に対しては。鉱山国というのは鉱山が標本を提供することを許可していないので、鉱夫達もそれについて話すことを好まないのです。それが知らない人に対してであればなおさらです。鉱夫達は、鉱山から標本を採集する際、つねにリスクを冒しているのです。
驚くべきことに鉱夫たちは、最高品質でない鉱物が見つかった時でも鉱山の入り口で警備員に鞄の中の検査を受けなければならないそうです。

鉱山入り口付近の鉱山労働者の居住地。(Juan Fernandez Buelga撮影)
鉱山入り口付近の鉱山労働者の居住地。(Juan Fernandez Buelga撮影)

私は、鉱夫たちが仕事に熱心に取り組まねばならないことは理解していますが、その一方で、仕事さえきちんとやっていれば彼らの自由時間には好きに鉱物収集をさせてあげれば良いのにと思います。
鉱山労働は過酷なんですから、その分、鉱山から産出する結晶を標本用に流すことでいくらか利益を得ても良いんじゃないでしょうか?

パナスケイラ鉱山の内部
パナスケイラ鉱山の内部

滅多に会うことの無い鉱夫達の話題からは少し離れて。鉱山の近くにはそう多くはないですが、確実に数人の非常勤の鉱物売人がいます。彼らはその誰もが異様な人たちで、しばしば接着した標本を売ろうとしてきます。水晶の上に燐灰石の大変見事な結晶が乗っかった標本に400ドル以上支払ったことを私は忘れもしません。その燐灰石が水晶上に接着されたものだと気付くまでは、私は本当に幸せだったんですが…。良い標本を探す時には絶対に気を付けて下さい! そして騙されないで!! もしポルトガル語が分からないのであれば、パナスケイラへ行く際には誰か行ったことのある経験者と一緒に行くのが良いですよ。

我々Spanish Mineralsはスペインやポルトガルでの鉱物ツアーも提供致します。もしヨーロッパの方へ良い標本を買い求めに来てみようとお思いの方があれば、ぜひ私、Juanのもとまでご連絡くださいね! パナスケイラ鉱山やその他様々なスペインやポルトガルの面白い場所を巡るツアーを企画しますよ! 私たち以上に経験豊富で友好的なところはどこを探しても無いでしょう!!

 

Juan Fernandez Buelga & Tignita

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東京TIMAミネラルショー2014 日本へのすばらしい初渡航

何から書き始めればいいのか分かりませんが…、私のはじめての日本は本当に素晴らしいものとなりました!

私たちはこれまで一度も日本に行ったことが無かったので、今回の渡航は仕事だけでなく観光も兼ねていました。以下に私たちの日本での数日間を記します。

6月1日。私たちはオーストラリアのパースから、11.5時間のフライトを終えて東京に到着しました。幸運にも東京はパースとの時差が1時間しか無いため、時差ぼけには困りませんでした。

羽田空港に着いたあと、私たちはホテルへ向かうリムジンバスに乗りました。リムジンバスという響きからは大層しゃれたものが想像されますが、実際は空港から新宿駅や色々なホテルへ向かう普通のバスです。もしいつかあなたが東京へ行くことがあれば、空港からホテルへ行くにはこのリムジンバスを使うのが一番良いと思いますよ。すごく安くて(大体12ドルぐらいです、一方タクシーを使ってしまうと60ドルからそれ以上掛かります!!)、速くて、そして空港でチケットを買うことができますから。
空港へ到着してから私たちは、日本ではすべてのことがスムーズに動いているのではないかと思い始めました。それは本当でしょうか? さあどうぞ、続きを読んでみて下さい!

6月3日は二日間ある設営日のうちの1日日で、多くの出展者が自分たちの荷物を受けとろうとせわしく動いていました。

 

東京TIMAミネラルショー2014、搬入エリア
東京TIMAミネラルショー2014、搬入エリア

TIMAミネラルショーは6月6日〜10日の間、一般に開催されました。

バイヤーズデイのTIMAミネラルショー
バイヤーズデイのTIMAミネラルショー

5日も同じく開催されていましたが、これは出展者と鉱物の専門家(例えば博物館など)の人たちのための日でした。なので私たちは、ショーの前に何日間か東京を見てまわれる日がありました。私たちは皇居と皇居東御苑へ行き、上野や丸の内の辺りを散策してから新宿でとっても美味しいイワシ料理を食べました!ここまではすこぶる順調です!

新宿割烹なかじまのイワシ料理。日本の伝統料理を食べるなら、私たちはこの店を声を大にしてオススメします。
新宿割烹なかじまのイワシ料理。日本の伝統料理を食べるなら、私たちはこの店を声を大にしてオススメします。

私たちがショーに向けて色々と準備をするのには2日間を要しました。用意されていたガラスのショーケースや机の上に鉱物を並べたり、値札を付けたり、照明を増やしたり……けどもちろん、この2日間は鉱物の仕事だけだった訳ではありません。昼ご飯を食べに外に出たり、新宿の辺りを歩いたり、ショーに向けて必要なものを買いに行ったりしていました。初めてのミネラルショーだったもので、私たちは色んなものを忘れていたのです!

私たちは東急ハンズというほとんど何でも買える店を見つけました。ここで、ビニールの袋や日本の様式に合ったコンセント、複合コネクタや照明をショーケースの内側に固定するための留め金などを買いました! 正直言って、何が欲しい時でもまずここへ行けば良いと思います!

もうひとつのすごく便利なお店に100円ショップがあります。ここは東京には何店舗もあって、様々なものを1ドル程度で買うことができます。私たちはここで、ノートや値札の台紙、計算機なんかを買いました。

私たちは全てのTIMAの素晴らしいスタッフさん達にお礼を言いたいです。彼らはすごく熟練者であると同時にとても友好的な人たちでした。特にあきこさんはショーで使う照明の種類についてJuanに対応してくれました!

私たちのブースは小さく一つのテーブルだけでしたが、私たちにはこれで充分でした。我々の場所は、メイン会場の入り口に近い良い場所でした。そしてさらに、私たちの周りでは多くの人がスペイン語を話していたものですから、私たちは自分たちの国にいるかのように思えました! そんな中で私たちは、南米で何年もの間地質学者として務めた結果流暢なスペイン語を話すようになったAlfredo Petrovという人と談笑しました。彼は珍しい鉱物の良い標本をこのショーに持ってきていましたよ。

おそらくショーに出ていた半分近くの商品はジェム用や宝石細工やジュエリー用のもの、または別の良質な標本の残りのようなものでした。良質な鉱物を売っていたいくつかの店としては、Wayne Leicht from Kristalleさんや初台愛石館さんが思い当たります。これらのお店には世界各国の良質の標本がありました。

ショーには、鉱物収集についての雑誌や書籍、また鉱物初心者に向けてのガイドを扱ってる店もいくつかありました。

私たちの購入した美しい蛍石やスペイン産の黄鉄鉱について書かれた日本の鉱物雑誌
私たちの購入した美しい蛍石やスペイン産の黄鉄鉱について書かれた日本の鉱物雑誌

私たちはオーストラリアやスペインの有名な蛍石産地(La COllada, La Moscona, Emilio Mineなど)の標本を中心に持ってきました。その他にもスペイン産や、ポルトガルやモロッコ産のいくつかの標本を持ってきていました。

Juanがラベルを順番通りに並べようとしているところ
Juanがラベルを順番通りに並べようとしているところ

ショーの期間中は、若かったりそんなに若くなかったりするTwitterの日本人フォロワーさん達が多く訪ねて来てくれて、顔を合わせてのおしゃべりを楽しみました!お会いできて良かったです!応援ありがとうございます!

それぞれの日において、私たちはミネラルフェアと他の行動、例えば大江戸古物市に行って良い化石といくつかの鉱物を買ったりなど、を交互に行いました。

 

東京、丸の内の大江戸古物市で売られていた化石
東京、丸の内の大江戸古物市で売られていた化石

私たちの失敗と言えば、TIMAショーと同時に開催されていた飯田橋のミネラルマーケットに行けなかったことです。飯田橋は、TIMAショーの開催されていた新宿からそう遠くない場所にあります。

東京、飯田橋のミネラルマーケット
東京、飯田橋のミネラルマーケット

今、私たちはオーストラリアに戻ってきて、来年再び日本へ戻らなくては!と思っているところです。 なので、その時またお会いしましょう!

Tignita