Navajun鉱山の名の由来になった美しい村、「Navajun村」はAguilar del Rio Alhama地方に位置している。この村は1381年にエンリケ二世によってNavarran Gentile Juan Ramirez de Arellano, Senor de Cameros の支配下に置かれた。(※訳者注:スペイン語の単語により翻訳できず)
Museo Geominero del Instituto Geológico y Minero de España(ヘオミネロ地質・鉱物博物館)
この博物館は“Museo del IGME”という名称でよく知られています。ここでの”IGME”とは”Instituto Geologico y Minero de España”の略で、地質鉱業学会という意味です。
Museo Histórico-Minero Don Felipe de Borbón y Grecia(ドンフェリペ・デ・ブルボン歴史鉱業博物館)
この博物館は長い歴史のある、親しみやすさと整然さを兼ね備えた博物館です。さらに、ここは今まで紹介してきた博物館の中で私の1番のお気に入りの博物館でもあります。なんとこの博物館は、19世紀に実際に使われていたマドリード鉱業学校の素晴らしい建物をそのまま再利用しているんですよ!
さて、ではこの短い鉱業博物館見学ツアーの締めに、この博物館で私が一番気に入っている標本を紹介しましょう。これはものすごく珍しい巨大な閃亜鉛鉱の標本です(from the Picos de Europa Mountains, Spain)。このラベルに記載されている”Aliva”とは宝石質の閃亜鉛鉱を産出することで有名なPicos de Europa の中心部の地域の名前です。この標本は結晶形が非常にはっきりとしており、透光性はほぼありません。このことから考えられるのは、この標本は恐らく有名な Aliva 地区のLas Manforas鉱山から産出したのでは無く、Picos de Europaの古い珍しい鉱山から産出したのではないかということです。
すごく珍しいキャビネットサイズの閃亜鉛鉱標本, Picos de Europa mountains, Spain.
La Collada鉱山地帯はいくつかの蛍石鉱山で構成されます。La Colladaの蛍石の多くは青から紫にかけての色を持って産出しますが、くすんだグリーンも特に珍しい訳ではありません。ここのものはゾーニングが見られるものが多いです。紫と青のバイカラー、又は明るい青と暗い青のバイカラーになっているものはすごく貴重でなかなかお目にかかれません。
Level 75, Josefa Veneros vein, La Collada. dodecahedron面に紫色のカラーリング. Fernandez Buelga Collection標本. Carlos Casariego撮影.
La Colladaの緑の蛍石について: 特にいくつかの古くからの地域では、くすんだ緑色のものの産出は珍しくありません。ですがそれが鮮やかな緑色であれば話は違い、並外れて貴重なものになります。最近では緑色の標本が市場に出回ることは滅多にありません。
Green fluorite from “Corta la Sirena”, La Collada de Atras, La Collada. Juan Fernandez Buelga撮影
メモ: La Viesca鉱山は露天掘りで採掘されてきた地下鉱山です。La Collada鉱山地帯の内部に位置します。明るい青色の蛍石や、暗い青紫の標本を主に産出します。紫色のものは貴重です。少しのグリーンを含む青色のものも珍しいです。カラーレスのものは小さな結晶のものは多くありますが、大きな結晶のものになると非常に珍しいです。しっかりした発色の(Saturation)水色の標本は貴重です。
ヴァイオレットの色見本(Wikipediaより). 詳しくはこちら: http://en.wikipedia.org/wiki/Purple色の濃淡表(%). 画像元 http://www.digital-intermediate.co.uk 詳しくはこちら: http://www.digital-intermediate.co.uk/colour/colourbasics.htmカラーレスやすごく薄い青色の蛍石はLa Viesca鉱山でよく産出します. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.淡い水色の結晶内部に濃い水色のファントムが見られます.外側の縁にある暗い青色のファントムにも注目です. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.La Viesca鉱山の強烈なブルーの標本. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.多くのカラーゾーニングが見られる貴重な標本. 明るい紫から始まり,暗紫色,水色と続きます. 赤色や黄色に見える部分はインクルージョンによるものです. La Viesca, La Collada. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.非常に濃い露草色(少しの緑を含む青色)の標本.青色のファントムも見られる. La Viesca. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.非常に濃い露草色(少しの緑を含む青色)の標本.青色のファントムも見られる. La Viesca. Juan Fernandez Buelga 所蔵, 撮影.
2- Berbes mining area 青色やすみれ色、紫色のものが最も珍しいものになるのでしょうが、澄んだ青色のものも同様に珍しいです。一般的で簡単な法則として言える事は、赤色に近づけば近づくほど貴重になっていくということでしょう。Berbes地域はLa Collada地域に比べるとより多くの赤系統の標本を産出します。
強烈なすみれ色(ヴァイオレット). Berbes. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.濃いすみれ色の貴重な標本. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.Berbes地方の紫色の標本. Fernandez Buelga Mineral Collection標本. Carlos Casariego撮影.ピンク色に近い紫色の標本. 同じ系統の色の鮮やかなファントムに注目. Fernandez Buelga Mineral Collection標本. Carlos Casariego撮影.
3- La Moscona Mine La Moscona鉱山の地下から採掘されるほとんどの全ての蛍石は黄色をしています。黄色とひとくちに言っても、淡黄色や灰色がかったものから蜂蜜色のものまで幅広く産出しますが、なかでも鮮やかな黄色のものが、黄色の中ではおそらく最も珍しいものでしょう。また稀にですが、紫色を伴う暗青色のものや、強烈な赤色のものも見ることがあります。
一般的な黄色のものと貴重な赤色のものが共生した標本. La Moscona Mine. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.濃い暗紫色と黄色の蛍石が共生した珍しい標本. La Moscona Mine. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.
La Moscona鉱山の標本でゾーンの見られるものだと、蜂蜜色と他の黄色のものがよくみられます。より珍しいものになると赤みを帯びたファントムを持つものだとか、最も珍しいものだと青色の結晶の中に黄色のファントムが見られるものなどがあります。
La Moscona鉱山の黄色と蜂蜜色の蛍石クラスター. Juan Fernandez Buelga所蔵, 撮影.
おそらくショーに出ていた半分近くの商品はジェム用や宝石細工やジュエリー用のもの、または別の良質な標本の残りのようなものでした。良質な鉱物を売っていたいくつかの店としては、Wayne Leicht from Kristalleさんや初台愛石館さんが思い当たります。これらのお店には世界各国の良質の標本がありました。