以下に示すのは「Piritas de Navajun SL」から引用したものである。
情報はいささか古いかもしれないが、キューブ状の特徴的な黄鉄鉱について綴ったとても良い記事だ。原文は英語で記されている。
Navajun 鉱山
主に黄鉄鉱の結晶を多く産出するNavajun鉱山は、1960年に坑夫であるPedro Ansorena Garretによって発見された。
現在この鉱業資産は、Pedro Ansorena Conde、Jose Chaver Atanasio 、Nestor Lopez Ogaldeらによって結成されたPiritas de Navajun S.L.にある
黄鉄鉱が硫化鉄で構成されていることは早い段階から知られていた。
古代中国では黄鉄鉱のそのメタリックな輝きが富と繁栄をもたらすとされていたし、かつての魔術師や錬金術師はこの鉱物に薬効成分があるとして使用していた。
また歴史学者によれば、La Rioja地方では黄鉄鉱を「聖カシルダの石」と呼びスリングショットの弾薬としてオオカミ撃退に使用していた。
La Rioja地方特有のこのエピソードこそが、Navajun鉱山にのみ大きく完全なキューブ型の黄鉄鉱が多く集中していることを示している。
驚くべきことにこの鉱山からは結晶の一辺が21cmもの巨大な黄鉄鉱が採れたこともある。
彫刻のようで、美しく完璧な黄鉄鉱の結晶構造が建築家や芸術家に影響をあたえていることは、世界各地(アメリカ、ワシントン州、ドイツ、スイス、フランス、日本etc)の重要な科学博物館、例えばスミソニアン博物館などから見て取れる。
黄鉄鉱の産出過程から、還元性環境下における堆積岩(主に石灰岩と砂岩)の中で、有機物の分解が硫黄を産出し、それが周りの鉱物に反応を起こしていることがわかる。
これらの黄鉄鉱はLa Rioja地方に存在するジュラ紀の堆積物と同じ地質環境で、約125~130万年前に生成されたと考えられる。それゆえ恐竜の足跡の化石がこの地方の岩石から共通して発見されている。
異なる成長過程を経て形成された結晶たちは、それぞれの結晶グループごとに大きさや形状、結晶の角度などによってそれぞれ違った顔を見せる。その芸術的な造形のバリエーションは無限大だ。
この鉱物は繊細な自然の産物であるため(硬度6~6.5とやや堅いが、脆い)採掘は手作業によって、その一つ一つをまるで彫刻作品を扱うかのように行われる。
世にもユニークな形で生まれる黄鉄鉱の採掘作業はとても魅力的な仕事だろう。
Navajun 村
Navajun鉱山の名の由来になった美しい村、「Navajun村」はAguilar del Rio Alhama地方に位置している。この村は1381年にエンリケ二世によってNavarran Gentile Juan Ramirez de Arellano, Senor de Cameros の支配下に置かれた。(※訳者注:スペイン語の単語により翻訳できず)
その際、近くにあったもう一つの美しい村、Aguilar Valdemadera村も同統治下におかれた。
ふたつの村は現在も当時の面影をそっくり残したまま16,3平方キロメートルにわたって山岳にまたがっている。
村の資源そのものである鉱山では、採掘にくわえ羊の牧畜と穀物の栽培も行われている。しかし村の人口は前世紀をから今にかけて次第に減ってしまった。
1900年に310人いた人口が、1950年には220人、1970年には152人、そしてついに現在たった22人へと…
Translated by Kuchinashi.